根津山の日記

日々の生活をまとめます。世田谷代田、理科教育、戦前の教育

”Oppenheimer ”を見に行きました。

 

映画「オッペンハイマー」を渋谷に見に来ました。久しぶりに奥さんと、映画館で映画をみました。ずいぶんと映画館にはきていません。すこしウキウキした気分です。

 

4月1日 月曜日、平日 午後2時半に開始です。それでも、若い人を中心にほぼ満席でした。

ころころ入れ替わる場面、配役、背景を説明しない・・・

映画.comから引用

”キャラクターの多さ、説明の少なさ、そしてキャストの豪華さも、本作の大きな混乱ポイントのひとつ。ゆえに事前にキャラクター情報を頭に入れておけば、脳のリソースをほかの細かいところに向けることができます。”

とあります。

終わったあとこのコメントを見て、なるほどと思いました。

クリストファ・ノーラン監督作品がはじめてで、場面の変化、時代の入れ替わりの多いのを知りませんでした。とくにわかりにくかったのが時間がどんどん入れ替わること。歳も歳なので、記憶力が落ちていて、場所や人物、何の会話なのかよくわからないまま、次のシーンに転換して、ついていけない感じでありました。やっぱり若い人にはいいのか。そこがいいと思う人が多いのでしょうか。このように監督の作品の特徴だとわかるので、作品が間違いがある、ミスがあるというものではないのです。なので、制作者の作戦として、もう一度見たいと思わせるのかもしれません。なんて思わせられました。

物理やオッペンハイマーを全く知らないで見て楽しめるかどうか・・・

私の方がもともと関心があったので、オッペンハイマーの来歴も少しは知っています。その中で、原爆の父の印象が強くて、研究者の姿にはあまり関心がなかったです。この作品は名前を冠しているだけに、主題は人物を描くこととわかります。個人としてどのような人物で描かれるのか楽しみでした。展開が早くてわからないこともありましたが、オッペンハイマーの原爆開発を後悔した姿や、水爆開発に反対したこと、共産主義者かどうか、研究所の人間関係も浮き彫りにしていたと思います。あえてですけど、(評論家でないから、どうでも良いかもしれませんが)魅力的な部分があまりみられず、人として数学、物理天才以外の興味が湧かないかもしれません。カリスマ性がどこかでわかりやすく描かれているといいかもとおもいました。

 

原爆の描き方、扱い方

これは多くの人がSNSでコメントしています。日本では落とされた側なので、関心があるなしに関わらず、被爆した現場を映像で知っている、悲惨さを肌で感じる人も多いと思います。

・投下後にスピーチする場面の熱狂ぶりは、正直ドン引きしてしまいます。映画館なので、態度には表せないけど、内心では寒くなってしまいました。ノーラン監督としては、アメリカ側のグーフィな感覚を描きたかったのかもしれませんが、やっぱりなうけいれにくいな。

・スピーチで「(原爆をできれば)ドイツにも落としたかった」は悲しく、恐ろしい。ユダヤ人ですし、それが最初の目的だったし。でも、この一言は振り返ると、後悔させる、いやもうすでに後悔していたかもしれない。

・候補地の絞り込みで京都に落とさないという決定も、判断した理由が個人的で安易すぎて、「そうだよな、落とす側だから、軽っ!」と思いました。

・水爆の開発でどこに落とすか議論した時、広島に落とすかと問われて、「(水爆だから)それじゃ目標が小さい」と恐ろしい一言。広島の原爆だって、事前に通告して日本軍の様子を見ることだってできた。悲惨さを察して、落とさずに解決する手立てを考えがないのね。

それでも、もう一回見てみようか

細かいことがわからないこともあって、もう一度見てみたいと思う今です。監督の作戦にやられたかもしれない。物理の歴史をわずかですが知っているだけに、物理や科学に関わる方は、掘り下げたくなる作品でもあります。

うちの奥さんは楽しんでいましたが、やっぱりわかりにくいといい、満足度はまあまあではないでしょうか。若い人も多かったけど、オッペンハイマーを知らない人は、予習をおすすめします。

 

映画の概要

https://pbs.twimg.com/media/FvUVt3hXgAAxP1H?format=jpg&name=900x900